2007年08月14日

聞いたことの無い音は聞けないんだよ

日本語を構成する音素の種類が少ないので、日本人が外国語の発音を習得するのは困難である。L と R の区別が良い例だ。逆に、外国人が日本語を習得するときに、外国語訛りがあったとしても、通じる発音のレベルに達するのはさほど難しくない。

という話をよく聞いたことがあるわけだが、もちろん日本語にあって英語に無い発音もある。代表格は長音(ー)と促音(っ)であり、日本語勉強中のアメリカ人が "long vowel" とか "pause" とか呼ぶのを聞いて、そうか、促音は「ポーズ」になるのか、なんか違う気もするけどな、と思っていた。そして、つい先日新たな例を見つけたかもしれないのでメモ。

アメリカ人の同僚たちとのランチ中、僕の人生で N 回目の「L と R と日本語」の話になった。僕は自分の名前を言うときは R の発音を入れてるけど、本当の日本語の発音では R とは違う音なんだよ。どちらかと言うと、L の方に近い感じ。L とも違うけどね。そして、その本当の発音だと、誰一人分かってくれない。だから、まず日本語をアルファベットの綴りに変換して、それを皆が慣れた音素を使った発音で読んでいるわけ。本当の発音で言ったら、皆「え?」って言うよ。

「へえ、じゃあ本当の発音言ってみて?」
りゅう。
「え?」
(笑いながら)りゅう。
「ちょっとまって。Ryu の R はどこに行ったの?あなたが言ったのは、Yu と全然違わないじゃない」
え?違うでしょ?だって、「りゅう」と「ゆう」は違うでしょ?
「同じに聞こえる…。(もう一人の同僚に)どう?あなたには違って聞こえる?」
「いや、僕にも同じに聞こえる」
りゅう。ゆう。全然違うじゃん!
「同じよ」
「同じだよ」
えーー?じゃあ、りょう。よう。これは?
「違う」
「違うね」
りゅう。ゆう。
「同じ」
「同じだ」
えーーー?

というわけで、標準的なアメリカ人には、日本語の「りゅう」と「ゆう」の区別はつかない。という仮説。もうちょっと聞いて回ってみるつもり。

Trackback on "聞いたことの無い音は聞けないんだよ"

以下1件のトラックバックはこのページのエントリー"聞いたことの無い音は聞けないんだよ"を参照しています。

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» それは気付いていないということだと思う

  • 2007年08月15日 00:35
  • from audiofan.net@hatena

昔、探偵!ナイトスクープで、「携帯の撮影時の音として用意されていた「撮ったのかよ!」が「エーアイアイ」に聞こえる」って話があったけど、それと同じじゃないかな。... [続きを読む]

Comment on "聞いたことの無い音は聞けないんだよ"

Baby Einstein ていう、簡単なことをいろんな国の言葉でしゃべるビデオがあるのだけれど、それによると、生後 6ヶ月くらいまでに聞いた音は、ちゃんと聞き分けられるようになるらしい。本当かどうかは知らないけれど、とりあえず、うちの子はよく見てた。

  •   N
  • 2007年08月14日 21:40

むかし韓国人の知り合いが
「じゃ」と「ざ」が同じ音に聞こえるといってました。

  •   L
  • 2007年08月15日 02:03

韓国語は昔囓っただけだけど、母音が日本語より多いらしいです。「お」と「う」が二つずつあるんだったかな?あと「濃音」というのがあって、これは日本人だとほとんど違う音だと意識しません。

たとえるなら[か]と【か】みたいな違いですね。
始めて聞いたときは「どっちも "か" じゃね?」
という感想を持つと思います。
ただし聞き取るのはともかく、発音そのものは難しくなく、少し訓練すればできるようになります。

逆に日本語でいう濁音の区別は曖昧なようです。

  •   
  • 2007年08月15日 05:14


現在海外在住しているものです。

私は、普段英語で会話しているときに日本語を使う場面になってこの音LとRどっちだっけと迷い、どっちでもないことに気付いて舌を噛んだ経験が数回あるのですが、このときはじめてRとLの音と日本語のらりるれろの音が全然違うものだと思うようになりました。

こういった聞いたことのない外国語の音声の発音については子供のころに聞いたことがあるかどうかよりは相手の発している音声を聞く意識があるかということと、口や舌、喉のどこの部分をどう使っているか意識できると聞き分けることはもちろん、母国語に対する自尊心みたいなものを少なくすると発生もそれなりになると私は信じてますよ。


  •   R
  • 2007年08月15日 14:08

皆さん名前が短いですね…(笑)
Nさん、
DVDのタイトル教えてください!
Lさん、名無しさん、
韓国語と日本語は近い部分が多いから、違う部分もかなりはっきりしてきて面白いですね。周りに韓国系の友達が居ないんですよ、ちょっと残念。
Rさん、
なるほど、「ちゃんと聞く耳を持て」ということですね(ちょっと違うか?)。自国語フィルタを外すいい方法、ないですかね?

  •   garyu
  • 2007年08月15日 20:55

はじめまして。はてブから来ました。

発音の話に関してですが、昔の方は
『Di/ぢ』と『Ji/じ』
『Du/づ』と『Zu/ず』
の発音を使い分けていたそうなんですが、今の若いは聞き分けられるんでしょうか。
素朴な疑問です。

  •   sion
  • 2007年08月16日 04:26

知り合いの日本在住十数年のアメリカ人は、いまだに病院と美容院の音の違いがわからないそうです。

日本語のラ行発音は米語では"d"が近いみたいです。
吉良とか原とか小倉とかの第二音以降、特に最後に”ラ”が来る名前を米国のスターバックス等で伝えると、結構な確率でカップに"Kida"とか"Hada"とか書かれます。

この手の発音の話は、日本国内ですら半数は鼻濁音を使えないし聞き取れないので、外国語に限った話ではないと思います。

経験上、聞き取りも発音も、その人の音痴度合いに比例して悪くなる気がします。

  •   mmt
  • 2007年08月16日 14:48

sionさん、
私はそれほど若くはありませんが、聞き分けられないと思います。いや、アメリカに来てから出来るようになったかも。
mmtさん、
日本のラ行、良く聞いてみると l, r, d が混ざり合ってる気がしますね。それから、実を言うと私は音痴なんです。どうすればいいのでしょう。

  •   garyu
  • 2007年08月16日 20:49

アメリカ人の先生に声楽を習っていますが、「君の u の発音には i の音が混じる」と言われます。中国語の母音の1つに u と i の中間のような音がありますが、先生が私の u を真似ると、ちょうどそんな感じに聞こえます。日本人歌手が日本語で歌っているのを聞くとやっぱり i 混じりの u なので、双方の言語の発音の違いから来る問題でしょう、とのこと。確かに自分の日本語の発音に注意してみると、純粋な u を発音していないことに気付きます。でもこれまで会話をしていてそんなことを言われたことがなかったので、新たな発見です。やっぱり声楽の先生だけあって聞き取り能力が優れているのでしょうか。

  •   SO
  • 2007年08月19日 16:35

Lの発音があったり・なかったりの話は、朝鮮語でもありますね。

現代の韓国で話される言葉では語頭のLはなくなって表記も発音もされないが、北朝鮮の言葉では残っているというもの。
例えば、李(南:イ、北:リ)、零(南:ヨン、北:リョン)など。

「りゅう」さんの「L」も、彼らに聞こえないのは語頭のLだからっていうなんらかのメカニズムがあるのかもしれませんね。

  •   ちとく
  • 2007年08月26日 11:01

面白いですねー。アメリカ人が聞き分ける事のできないサウンドが、日本語に存在するとは思いませんでした。

早速アメリカ人の友達に試してみたところ、“ほんのちょっとだけ違うようにも聞こえるけど、ほぼ同じ。”という答えが返ってきました。とくに“りゅう”が難しいみたいですね。
面白い発見!

SOさん、
確かに、日本語の「ウ」は、英語ほど口をすぼめませんねえ。そうか、あの音は口の形のとおり、 u と i の中間なのか…。自分で意識しながら発音して自分で聞いてみると、確かに違いが分かります。他人が発音したときに分かるかどうかは別の話ですが。

ちとくさん、
今日、同じ人に「こうりゅう」と「こうゆう」など、単語の途中で違いが出る発音を試してみました。すべて「違って聞こえる」でした。「りゅうこう」「ゆうこう」では、やっぱりほとんど同じに聞こえるそうです。今度は他の日本人に発音させて試してみたいなあ。

piansteさん、
実際、日本で五月蝿い居酒屋さんで予約するときとかに、「え?ゆうさん?」と聞き返されることが時々ありました。実際、結構差が少ないのかもしれません。面白いですねえ。

  •   garyu
  • 2007年09月04日 22:09

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