2006年02月18日

ロスト・イン・トランスレーション実話編

Book Study のリーダー役の人から聞いた話。彼は言う。
「ロスト・イン・トランスレーションは大した映画ではないが、あの内容は日本に行って経験した人でないと分からない」
この文には彼の意見が2つ含まれており、僕は両方に賛成できないが、これをマクラにした彼の話は面白かった。

「日本の営業の人と一緒に客先に行って、製品のデモをしたんだ。営業が日本語で製品のデモをした後、客が何かペラペラ喋る。営業がそれに答える。また客が喋り、営業も色々喋る。一通り終わったところで
『なんて言ってたんだ?』
と聞いたら、
『客は製品を気に入った』
だけ。それだけじゃないだろ、もっといろいろ喋ってただろ、製品のどこを気に入ったんだよ、と聞いても
『いや、客は製品を気に入った』
しか言わないんだよ」

「1週間、ほぼ毎日日替わりで営業の人の車に乗って客先回ったんだ。会社のロゴが入った車に毎日乗せてもらったんだけど、どの営業車も白で、ちょっと汚れが目立つんだ。で、ごく軽いジョークのつもりで
『車洗った方がいいんじゃないの』
と言ったんだ。大したジョークじゃないだろ?軽く笑うぐらいはあるかと思ったんだが、それが大声で大爆笑するんだよ。わーはっはっはっは、わーはっはっはって1分近く。不思議な奴だな、と思ってたんだが、次の日に別の営業の人と別の車に乗ったときも、同じ事を言ってみたんだ。そしたらその人も大爆笑だ。なにが可笑しいのか、なんでそんなに笑っているのか今でも全然分からないんだ」

僕には良く分かる気がするな、と僕が言うと、その場にいた全員の目がいっぺんにこちらを向いて、凝視。びっくりした。そして、僕の説明。

特に外国語が身につき始めた頃には、外国語のジョークは非常に新鮮なんだよ。今までの人生で聞いたこと無かったんだから。それだけでもう普通以上に面白いんだけど、さらに
「俺は英語のジョークが分かったぜイエー」
という喜びも加わって、更に愉快な気分になる。そしてまた、多分その人の英語能力では気の利いた「返し」を言うのは難しいだろうから、笑い声が
「私はあなたの言ったことをちゃんと理解しましたよ、可笑しいことも分かってますよ」
というメッセージを伝える唯一の方法だったんだろう。ひょっとしたら、それに加えて、彼らの頭の中に「アメリカ人は日本人に比べて喜怒哀楽の感情表現が大袈裟」という意識があったから、自分でも不自然と思えるぐらいに笑っていることを強調したのかもしれない。
まあ、少なくとも君と打ち解けようと頑張っていたことによる行動なのは確かだから、もっと有り難く思った方がいいとは思うよ。

最初のロスト・イン・トランスレーションについては…恐らく、客の質問が価格についてだとか表面的な面についてのものとかで、実際にそれほど大事じゃなかったのかなあ。その人が英語苦手だったら、日本人の客の前でわざわざ時間使って伝えなくてもいい情報を苦労して伝えたくなかったんじゃないかな。こっちについては情報が少ないからほとんどが推測だけど。

モノリンガルで不便な思いをしていない人にこの「言葉で苦労している感」を理解してもらうのも、アメリカ人にこの辺の「相手に頑張って合わせている感」を理解してもらうのもナカナカ大変である。今回の話がどう解釈されたかは分からないけど、1歩か2歩ぐらいは進んでいるといいなあ。

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Comment on "ロスト・イン・トランスレーション実話編"

んー。
私だったらその人のジョークともいえないコメントに

「何言ってんの?」
または
「ジョークのつもり?それにしては趣味悪いね。もうちょっとましなこと言えば?」

って反応したと思うから、笑ってくれただけありがたいと思えよ、と思うんだけど。

  •   おっちー
  • 2006年02月19日 02:51

んー、だから「ごく軽いジョーク」なのよ。良くて軽く笑うぐらいの。

Tbありがとデス。
外国人から見た日本(東京)、日本人の不思議さ。
というのは、多分にあるんでしょうね。
お互い様。だとは思うのですが…。

  •   Zero
  • 2006年02月23日 20:57

3/2のエントリーとこれは前後してるように感じますが、自分的に「車洗った方がいいんじゃないの?」と言われたら
「大丈夫。会社のロゴだけ洗ってるから」と返してしまうなぁ。まるきり関西芸人だなw;
こう答えたら相手米人はどういう反応するか興味ありますが(笑

  •   kaiou
  • 2006年03月04日 06:54

Zeroさん、
コメントありがとうございます。
そう、お互い様ですよ。お互い様。

kaiouさん、
その話の流れ、普通にアメリカ人が言いそうな雰囲気です。違和感ありません。アメリカンジョークの素質ありますよ(褒め言葉)。

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