2005年07月09日

打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?

カリフォルニアの夏は日本の夏とは随分違う。過ごしやすいことは確かなのだが、夏に入道雲も見られず夕立も起きず、冬に雪が降らない状態だと、四季の変化を感じないうちに日付の数字だけが過ぎていく。

今年も気がつくともう7月になっている。なんとなく日本の夏を懐かしく感じる時、この映画を見ると「あの」感覚が戻ってくる。この映画の中にあるのは普通の日本の夏ではない。一番夏を楽しんでいた頃、小学生の頃の夏が入っているのだ。

ストーリーは非常に切ない。飯岡町の花火大会の日は小学校の登校日でもあった。両親の離婚のために、なずなは夏休み中に転校することが決まっていた。なずなは、放課後にクロール競争で典道に勝った祐介を花火大会に誘う。告白しようと思っていたなずなから逆に告白され、混乱しながら祐介が教室に行くと、旧友たちは花火を横から見たら丸いか平べったいか見に行こうと話をしていた。なずなは祐介を迎えに行くが、祐介は旧友たちと出かけるために典道の家へ行き…。

以前も書いたことがあるが、岩井俊二の映画に良く見られる「既視感」が一番強いのはこの映画かも知れない。小学生の頃の、気が遠くなるぐらい長かった夏休みに見たものが、この映画の中で再現されている。あの頃の学校のプールの光景、蝉の鳴き声、さらにはアスファルトの匂いまでが脳裏に蘇ってくる。

昔を思い出させるだけではなく、更にこの映画は「自分がこういう経験をしていたらいいのになあ」とまで思わせる話を見せてくれる。奥菜恵が演じるなずなはとても輝いている。典道は事情も知らずになずなに振り回されながら、どこまでも優しい。こんな風になりたいと思いながらなかなかなれなかったなあ。祐介は…確かにいたよなあ、こういう奴。

ホームシックというわけでは全然ないものの、たまに日本が恋しくなることがある。そういう時にこの映画を見て小学生の頃の夏を思い出したり、「四月物語」を見て大学生の頃の春を思い出したりすると、懐かしさと共に自分の気持ちが落着いていくのを感じることが出来る。

実は岩井俊二監督も僕も出身高校は仙台一高である。出来ることならば、あの学校の独特な雰囲気を映画にしてくれないだろうか。あまりマーケティング的に良い映画にはならないだろうとは思うが、あの頃の感覚を思い出させてくれる映画は全く観た事がないのだ。

打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?
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» 夏は「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」を観よう。

  • 2005年07月09日 01:53
  • from ちょっとだけ勝手に言わせてもらいます(Blog版)

 ボクはここで文章を書く時、「映画を観る」「テレビを見る」と切り替えている。その [続きを読む]

» 『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』(ケーブルTV)。

  • 2005年07月09日 09:36
  • from BuzzStyle。

数年振りに見ました。 良いですね。誰もが切なくなった幼少時の思い出映画で後味良いですよね(笑) フジテレビの『if…もしも』と言う実験的なパラレルワールドのドラ... [続きを読む]

» 打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?

  • 2005年07月10日 05:51
  • from あひるちゃんがゆく

25日は日本映画専門chで『24時間岩井俊二特集』でした。 [続きを読む]

» 夏が来る前に。

  • 2005年07月11日 20:41
  • from きょうのできごと++

岩井俊二監督の好きな映画がある。 それが、「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」。 たぶん4回目ぐらいになるけど、急に見たくなってビデオ屋へ。 ... [続きを読む]

» 打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?

  • 2005年07月12日 10:29
  • from distan日誌

花火つながりというわけではないけれど、たまたまレンタルで見つけたので。前々から観たいと思っていた岩井監督の作品。45分とは思ってなかったので、あっという間に... [続きを読む]

» 打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?

  • 2005年08月16日 07:39
  • from なつやすみ

真夏の夜の冒険と「駆け落ち」――岩井俊二の映像美と、淡い恋心をあざやかに描いた脚本が光る傑作。 1993年 岩井俊二監督。テレビドラマ「if もしも」の作品を、... [続きを読む]

Comment on "打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?"

こんにちは。
遠い空の下から、トラックバックありがとうございます。ネットだから関係ないですかね(笑)。

>岩井俊二の映画に良く見られる「既視感」が一番強いのはこの映画かも知れない。

そうですね。そして「既視感」と含めてあの画作り。ドライだけど温かいタッチで迫ってきます。
それでいて一番甘酸っぱい物語が心に沁みますね。

はじめまして、トラックバックありがとうございました。
>こんな風になりたいと思いながらなかなかなれなかったなあ。
まさしくその通りですね。この映画を観ていて感じる気持ちを、的確に表して下さって感謝したいです。『四月物語』も、友達を最初に作る時のぎこちなさを思い出させてくれて好きです。

岩井監督と同じ高校だなんて!ちょっとミーハーに羨ましいです。面白い高校だったんでしょうか?いいですね、そんな映画できたら観に行きます。

トラバ、ありがとうございました。
岩井監督、仙台一高でしたか。知りませんでした。

仙台には、昔、住んでいたことがあります。いい街でした。
広瀬川で、化石を掘り出したりして……。

  •   distan
  • 2005年07月12日 10:38

Through the years Pepsi has been known for developing and selling strangely flavored versions of their renown Pepsi soda. They’ve made their soda clear, white, clear, red, and now they’re going blue with Pepsi blue.

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