2005年06月04日

青葉繁れる

現役の仙台一高の生徒(2年生)の時だった。2学期の期末試験の1日目の全科目の手応えが余りに悪くて、真っ直ぐ家に帰る気がしなくてフラフラと街中に出て行った。街中の本屋で偶然この本を見つけ、「そう言えば一高生のバイブルだって聞いたなあ」と思い購入。その日の内に読了した。期末試験の2日目以降の準備は全くしなかったが、なぜか成績は向上していたことを覚えている。

本の帯には「井上ひさし版『坊ちゃん』」と書いてあった。つまりこの本は彼の自伝的小説であり、彼の高校時代のことが書いてある。そして、彼は僕の高校の先輩である。一高生のバイブルであり、僕にとっても何度も読み返した数少ない小説の1つである。

主人公の稔は3年6組の一高生。当時の一高ではクラスは純粋に成績順で決まり「6組」は一番成績の悪いクラスだ。「地方のエリート」の誇りと愛校心を持ちつつも、進学の見通しは良くない。そこに東京の日比谷高校から俊介が転校してくる。名門日比谷からの転校生ということでクラスメートは色めき立つが…。

地方の進学校(男子校)に通う男子高校生の単純さと切なさがそこかしこに出てきて、読むたびに懐かしかったり恥ずかしかったり。都会への憧れもあれば進路の悩みもある。でも勉強はあまりしたくない。女子との交際は大きな関心事だが、頑張っては見るものの気が利かないし恥ずかしいし、結局何も起こらずに終わってしまう。先生には反抗もするが感心もする。自分たちなりの正義を持ってはいるのだが、これがまた様々な方向に空回りする。

もう15年以上も前に買った本を今になって思い出したのは、医学都市伝説で「膣痙攣」の話を読んだから。

膣けいれんで離れられなくなるカップルは、まず(1)不義の関係である。(2)驚愕させられてけいれんが起こる。(3)そのため不義が露見し、当事者はペナルティを受ける。以上の要素を必ず持ち、これは初めて公式的に報告された時から(といっても冗談記事なんだけど)、ずっと守られている伝統なのである。

この小説では過去の卒業生の話として、膣痙攣の話が出てくる。不義の関係ではないカップルが膣痙攣になる数少ない例なのだろうが、その内容は高校生の時の僕にとっては心に重石を乗せられるようなものだった。将来自分にも起こるであろう男女交際における自分の果たすべき責任について考えたりしたものだ。あの頃は若かったなあ。

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