2005年04月16日

ハイスピードのろま

渡辺千賀さんのOn Off and Beyondにてこんな記述があった。

「アメリカはブロードバンドの接続数では世界最高」という調査結果があったが、なんだかとても信じられない。だって、500kしかでないオフィスビルがシリコンバレーの真ん中にあるんだから。

確かに信じられない。僕の周りで聞く話はさらに情けない。
「借家探しをしていて、広さも新しさも値段も気に入ったのだが、DSL接続もCATV接続も出来ないことがわかった(CATVのテレビ番組は見られる)ので契約をやめた」
「うちの唯一のブロードバンド接続法はサテライト(衛星)だ。大きなパラボラアンテナを庭に設置して、下りのスピードは2Mbps.でもパラボラアンテナから衛星に信号を送ることは出来ないので、上りは電話線のダイヤルアップ」

渡辺さんのブログでは250kぐらいをブロードバンドと定義すれば分からないでもない(とはっきりは言ってないが)、ということだったが、こんな記事を見つけてしまった。
America: Still the High-Speed Laggard
敢えて妙に訳すと「アメリカは未だにハイスピードのろま」。なぜこちらの報道記事は、内容を想像するのが大変なタイトルを好んでつけるのだろうか。

In 2000, the OECD said the U.S. ranked third in Net users connecting at high-speed among the top-30 world economies. The next year it fell to fourth. Now it's 11th, according to the OECD. And fast connections in the U.S. are slower than in many other countries. A top-of-the-line cable modem in the U.S. carries five megabits per second, while broadband connections in Asian countries like Japan and South Korea are often 20 times faster.

2000年にはブロードバンド接続率が3位だったアメリカは、翌年には4位に下がり、今では11位。その接続スピードも遅く、最高速のケーブルでも 5Mbps。日本や韓国ではその20倍も珍しくない。

なんと、1位どころか11位らしい。スピードの定義ははっきり書いてないが、DSL接続をしていればハイスピードと認定しているような雰囲気だ。
相対的に日韓が持ち上げられているけど、いくらなんでも100Mはそんなに普及して無いでしょ?100Mと言ってもベストエフォートでしょ?と言いたくなる。まあ確かにこちらでは光接続は夢のまた夢と言った感じ。周りのアメリカ人に「日本の友達が光でさあ」なんて話をすると、自宅で会社をやってるのか、と聞かれたりする。

そして、良く言われる説がこれ。

In fairness, the U.S. is a big country, and it's an expensive place to do business. The low labor costs and small geographies of many Asian countries allow utilities to offer broadband at rock-bottom prices

アメリカは広いから大変なんだよ、という話。ついでに、労働者の賃金が高いと言う理由もついている。これには「もっと大きいカナダではちゃんと普及している」という反論が記事中にある。

しかし、広さと賃金以外にも理由はあると思う。アメリカにはもともと市内電話かけ放題というダイアルアップインフラと、値段の安さを重んじる国民性も理由になるのではないだろうか。今でもテレビコマーシャルでダイヤルアップ接続サービスを宣伝している。NetZero、people PC, さらにAOLがダイヤルアップ用に作ったブランド "Netscape" が月10ドル以下のサービスを提供している。

ちなみに、僕のアパートでは、上り384Kbps,下り1.5MbpsのDSLを使っている。上りも下りもきっちり限界値が出るので、満足して使っている。5、6年前に、誰かが「出来る限りのスピードしか提供できませんよ、というベストエフォートのサービスなど消費者は受け入れないので、日本でADSLは普及しない」という予想をしていた記憶がある(もちろん間違っていたわけだ)。この話をアメリカに適用しているのか、この辺のDSLプロバイダは、1.5Mなどの名前どおりのスピードが出ない地域は全てDSL不可能ということにしてしまうらしい。

そして、そんなアメリカを救うのがWiMax。まだぽしゃりそうな気もしないでもないが、ちょっと楽しみなのだ。

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