1999年12月01日

ワールドカップなんて興味無い

昨シーズンほどは盛りあがらなかったが、今年もメジャーリーグのホームラン王はマグワイア選手だった。ライバルのソーサ選手が終盤に突然失速して抜かれたのも去年と同様。これについて、以前に日本の雑誌のコラムで読んだ話を思い出した。

「ソーサ選手がタイトルを取ればあまりハッピーではないアメリカ人は少なからず居るだろう。それは、彼が非白人であるからだ。以前、非白人のハンクアーロンが白人のベーブルースの生涯ホームラン記録を抜いたときも複雑な雰囲気があった」
「前シーズンの大きなストライキによって落ちた人気を回復するために、メジャーリーグの上層部は何十年も抜かれなかった1シーズンのホームラン記録を一度に2人の選手に抜かせた」

これについては白人の同僚には迂闊には聞けないかなあと思っていたが、ランチのときに話題がそちらの方向に行ったので、試しに聞いてみた。こんな記事を読んだことがあるんだけど、どう思う?
「確かにハンクアーロンの時はそういう雰囲気はあったと思うけど、あれはもう何十年も前だろう。もう時代が違うよ。今はそんなことは関係無いよ」
「マグワイアだって、記録を作る以前からシーズンに50本以上のホームランを打っていたんだ。20本しか打ってなかった選手がいきなり記録を破ったわけじゃない。そんなのナンセンスだよ」

そこへ他の同僚が2人やってきた。その2人も話を聞くと、一様に反対する。
「なんだそりゃ?ちょっと失礼だけど、一言で言うと bull s**t だなあ」
「そりゃ、タブロイド紙に載るような話だよ」
「日本人はそんな『裏で陰謀』話が好きなのかい?」

いや、そう言う話が好きな人はどこの国にも居ると思うけどね。アメリカ人も「UFOの秘密を政府が隠している」話が好きだし。日本人も好きだけどさ。

そうだそうだ、もう1つ。ハンクアーロンの話が出たけど、生涯のホームラン数で世界一なのは誰だか知ってる?
「えーとなんだっけ、サダハルオーだっけ?」
おー、知ってるじゃないか。それについても、アメリカ人はメジャーリーグの記録しか認めないと聞いたことがあるけど、本当なの?
「そりゃそうだよ。レベルが全然違うじゃないか。実際、日本の野球なんて見たこと無いよ」
「日本の球場の大きさはどれぐらいなんだ?すごく小さいんだろ?」
「日本のスター選手は、みんなアメリカに来てメジャーに入りたがるじゃないか。ノモとか」

むう。少なくとも野茂は、アメリカに来る前の日本での成績よりメジャーでの成績の方が良かったんだぞ。日米オールスターの試合だって、まあまあ互角の成績だし。しかし、アメリカ国内でのチャンピオンを決めるシリーズに「ワールドシリーズ」という名前をつけるのって、ちょっと変だと思わないか?
「そりゃ、日本のチャンピオンとアメリカのチャンピオンが戦うようなシリーズがあればいいかもしれないけど、まあ仕方ないじゃないか。アメリカが一番強いんだから」
うー。お互いにナショナリズムを出しているなあ。だからそんなに差があるわけじゃないんだー。

そして、ランチが終わって席に戻る途中で、同僚の一人が肩を組んできて、笑いながら言う。
"We are still friends, right? Even if Japanese baseball sucks."(俺たちはまだ友達だよな、たとえ日本の野球がクソでも)

こういう時の周りの対応は大体決まっている。ちょっと困った顔をしながら、
「あーあー、俺はこの会話には加わらないよー」

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