1999年07月20日

すごい、こんなの初めてだ

同僚が1か月の休暇から戻ってきた。この忙しい時期にポンと長い休みを取れるなんてさすがアメリカだなあと思っていたが、彼がいない間に何人かが文句を言うのを聞いてしまった。私生活が優先とみんな言いはするけど、そんなに完璧に認められているわけでも無いようだ。

その1か月の間、彼はタイに行ってきたそうだ。うらやましい。僕は行きたいと思っていながらまだ行った事無いぞ。で、なにか面白いことやってきたかい?

「うん、まず食べ物が素晴らしかった。悪いが、日本料理よりタイ料理の方が美味しいよ。それから、高級リゾートホテルに泊まって、シュノーケリングのインストラクターについて魚をたくさん見てきたよ。素晴らしかった。それが全部タダだなんて信じられなかったよ。なんでタダかって?僕たちはタイの小学校を訪ねて、1週間英語を教えたんだ。それへの感謝って事で、学校のオーナーが招待してくれたんだよ」

おお、なんかいきなり話がぶっ飛ぶなあ。つまり、教会の人達で旅行に行って、そこの学校のオーナーがもともと教会の人達と繋がりがあったわけね。子供達はなついてくれた?

「それがすごく面白いんだよ。多分子供達は白人を見るのは初めてだったと思うんだ。みんな一斉に寄ってきて、しばらくもみくちゃにされて、みんなサインをくれ、サインをくれって言うんだ。全員にしなくちゃいけなかったからものすごく時間がかかったよ」

この話を聞いて、突然僕が中学生だった時のことを思い出した。近くの私立高校に来た交換留学生が1日だけ中学校に来た事があった。歓迎セレモニー、生徒会長による英語の挨拶、そして彼らの授業参観。休み時間には、みんなが留学生に群がって、えらい騒ぎだった。そう言えば、ほとんどの人が生徒手帳を出してサインしてもらっていた。僕もやっていた。端から見れば、とても異様な光景だったはずだ。

何故あの時あんなにサインを欲しかったのか。特に彼らがカッコ良く見えたわけでも綺麗に見えたわけでもなかった。もちろんチョコレートくれたわけでもない。何か英語で喋ってみたかったけど「サインください」以外に言う事が思い付かなかったのだろうか。いや、ひょっとしたら、単に周りの異様な雰囲気に同調していただけかもしれない。だとすると、誰が何を思って最初にサイン貰おうと言い出したのだろうか。結局は、良く言われる、単なる「欧米コンプレックス」?

この疑問は残ったままだが、中学生の時に持った別の疑問について、今日の会話を通じて答を1つ教えてもらった気がする。群がっている方は置いておいて、群がられている彼らはどういう気分なのか?

かなり、気分いいらしい。

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