1999年04月27日
みんながそうじゃないけどね
今日も遅くまで残業してしまった。いつもと少し違うのは、同僚Hも同じぐらいまで残っていたことだ。テストが終わるまでの間に雑談をしていると、少し前に、バークレーに遊びに行ったときの話になった。
Hは小さい頃にアメリカに移住してきた、中国系アメリカ人だ。完璧なアジア人の外見で、日本語を流暢に話し出しても違和感はないだろう。ラジコン好き、ゲーム好き。でも(?)とても外向的で、いつも冗談ばかり言っている。どれぐらい前だったか、彼に誘われたことがある。
「週末にバークレーで大学時代の友達と会うんだけど、お前もに遊びに来ないか?ついでに大学の中や周りも案内してあげるよ」
お互い知らない友達同士を集めて一緒に遊ぶのはアメリカではしょっちゅうあるなあ、でも10人もの友達と何して遊ぶんだろうなあと思いながら行ってみて、「ほら、そこのテーブルにいるのが友達だよ」と言われて、ものすごくびっくりした。
全員、中国系じゃないか。
型通りの挨拶をして、適当に日米大学の違いの話なんかをして、彼らがゲームセンターに消えた後でその時は別れた。
少し経ってから、Hに聞いてみた。UCバークレーで50%がアジア人ってのは聞いたことあるけど、10人全員が中国系ってのは偶然じゃないだろう?大学の友達にはヒスパニックや白人や黒人はいないのかい?
「うーん、確かに同じクラスにはアジア人じゃない人もたくさんいるよ。クラスの前や終わった後にはその人たちとも話すし、ランチを一緒に食べたりもする。でも、休みの日に待ち合わせて遊ぼうとかいう話になると、アジア人がずっと多くなるなあ。別に誰かがアジア人だけにしようとか言うわけじゃないんだよ。実際、ちがう人種の人と遊ぶこともたまにあるよ。でも、普通は誰が言うでもなく『ただ』そうなるんだよ。なぜかって言われても、はっきりした理由があるわけじゃない。でも、『ただ』そうなるんだよ」
彼が説明した感覚は、非常に微妙で難しいものだと思う。でも、彼の説明の仕方は簡潔で、頭にすっと入ってくるものだった。この時、こいつは頭が良いな、と直感的に思った。
今、僕の周りにははっきりと「言葉の壁」は存在するけど、もしそれを取り除いたとしても、一部の人との間にはまだもやもやした「壁」が存在するのだろう。ずっとこの国に住んでいる人は、普段は気にしなくても、時々はそれを感じるときがあるのだろうか。ここに住んでいる間に、僕がそれを感じ取る日は来るのだろうか。
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