1999年02月11日

まだまだ青いんだよおらおら

初対面の人の戸惑った表情が気になるようになったのは、こちらに来てから数カ月たったころだろうか。アメリカ生活にも慣れてきて、言葉の壁を感じながらも楽しく会話が出来るような気がしていたけど、初対面の人と話すとなかなかうまく行かない。大学1年の頃の英語の授業を思い出す話の遅さ。何が悪いって、ネイティブスピーカー以外とあまり話したことがないような人は、僕の言っていることがすらすらとは分からないのだ。

何年か前から聞くようになった「日本人は英語の発音を恥じる必要はない」「発音はその人のアイデンティティー(よく意味分からん)」と言う意見もあるけど、ここに住んで生活する以上、もっと通じやすくなる方が便利なのは事実。しばらく経てば少しは自然に良くなるとも思っていたが、その兆候を実感できないままもうすぐ1年が経ってしまう。少しは習った方がいいかなと思い、英会話の先生にお願いしてみた。
「アクセントを完璧に取り去ることは出来ないと思うしそんな気もないけど、もうちょっとアメリカ人に近い『聞きやすい』発音にしたい~」

ではあなたは単独での "L" "R" の区別は「一応」出来てるけど、両方出てきた時が問題だわね、と練習が始まった。たとえば、"world". "whirl". 確かに、どうすればいいのかはっきりとは分からない。

"L" は舌を持ち上げる。舌の先は上の歯の裏にくっつく。
"R" は舌を巻く。舌の先は口の奥の方にいき、どこにもくっつかない。
これは知っていたけど、"RL" はどのように混ざるのかを知らなかった。答えは、"R" の発音をしてから素早く "L" の発音にする。そのまんまだ。

そして、これが難しい。直前の母音の発音をして、すぐに舌先を奥に持っていき("R")、直後に上の歯の裏にぶつける("L")。イメージとしては舌が鞭のように?それぞれの形が単独では出来ているのに、コンビネーションではなかなか思うように動いてくれない。今までこんな動きをしたことは絶対にないな。舌のつけ根がすごく疲れるのは、今まで使ってない筋肉を使わされている証拠だろう。

晩御飯を食べに行く車の中で、英語のレッスンでどんなことをやっているか、という話になった。発音の練習を始めたと言ったら、俺はお前の言ってることはちゃんと分かるけどなあ、と同僚のD(シアトル出身)は言った。

「でもそれは君がアクセントのある英語に慣れてるからで、慣れてない人がいきなり聞いたら分かりづらいだろ?そうだ、正直に言って、僕の発音はどう思う?」
「正直に... か。じゃあ言おう。確かに、お前はアクセントを持っている。そして、アクセントがものすごく強い(very strong)。たとえば、今『発音(pronunciation)』と言っただろ? "pronunciation" の発音はメチャクチャだ(awful)

そして、即席練習会。何度発音してみても "No." と言われたり、首をかしげられたり。いろいろ変えてやってみても、たまには "better" とは言われるが、"good" さえも言われない。ああ......

あ、いや、でも、そうだそうだ。日本での職場では「アメリカ人に『君は英語がうまい』と言われているうちはまだまだ駄目だ」と良く言われていた。それで行くと、つまり僕の英語も上達してきてるってことかな(オー、ポジティブシンキーング)。

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