1999年02月28日

とりあえずは、ほっとした

金曜日の話。

自分の仕事に一番近いアメリカのマネージャ、Lさんが席に来た。日本出張から帰ってきて、すぐに会社に来たらしい。その人には何かと相談したことは多々あったが、実際に日本チームがどのような状況にあるかを逐一報告していたわけではなかった。日本に出張に行って、現在のプロジェクトが順調に完成しつつあることを実感して戻ってきたようだ。


「忙しくて、ホテルと会社以外はほとんど何も見られなかったよ」
という話で始まって、これまでの日本チームとの共同作業で感じたことを話してくれた。プロジェクトが大きな問題もなく既に終了に近いこと、トラブルを乗り越えて大きな遅れもなくここまで来られたこと、日米チーム間のコミュニケーションがうまくいったこと、僕の責任範囲と貢献が当初の想像よりずっと大きいものになったこと、次のプロジェクトが既にスタートしつつあること、僕の赴任予定期間を延長して次のプロジェクトもここで行なうことなど。

僕は話を聞きながら、こちらに来て間もない頃を思い出していた。はじめの何ヵ月かは、自分の席にずっと座って開発、というわけには行かなかった。いろんな人のところに行ってはあれをやってくれ、これが必要だ、これはどうなっているんだと要求したり聞いて回ったりで毎日が過ぎていった。半分口論のようになったりしたこともあったし、完全に口論になってしまったこともあった。落ち着いて自分の席で本来の仕事に集中できるようになった時、少し解放された気分とともに、淋しい気分もしたっけなあ。

一通り話が終った後、Lさんは右手を出してきた。
「これからも君がここにいてくれるのはとても嬉しいよ。おめでとう」
こういう時、握手という習慣はすごく格好いいと思う。お互いに考えていることが象徴的な形となり、相手を今までよりも更に理解できたような気分になれる。

プロジェクトはまだ終ったわけではなく、これから大きなトラブルに見舞われるかも知れないし、自分のこちらでの評価も完全に固まったわけではない。次のプロジェクトはもう走り始めていて、早くそちらにも乗らなければならない。

でも、とりあえずは、ほっとした。

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